2014年9月7日日曜日

読破なるか。

注文してあった本がアマゾンから届いた。

全集のような本を買うことはめったにないことなのだが、思い切ってポチった。


明治の頃、英国の夫人が私の故郷、置賜盆地(山形県南部、米沢盆地とも)「東洋のアルカディア(理想郷)」と称賛してくださったことは知識としては知っていたけれど、文字通り「聞いたことがある」程度であった。本を買うとか、調べるというようなモチベーションは無かった。

しかし…、

1、この夏の英国旅行で感じたイギリスの風土、空気感の反芻。
2、新幹線のなかで見た雑誌「トランヴェール」でこの本の原作者イザベラ・バート(Isabella Lucy Bird)が取り上げられていたこと。
3、東洋のアルカディアという表現は、英国人の彼女と東北の土地に何かしらの共通性や郷愁を感じた故のことではないかという興味。

などが購入意欲を掻き立てたのかもしれない。

それと、もうひとつ。
身内のことを書くのはこそばゆいが…明治生まれの祖父(吉村啓作:興譲国民学校校長、興譲小学校校長、米沢市の初代教育長などを務めた、いわゆる先生ですね)が、地理学が専門だったこともあって、幼い記憶ながら遠い国の話や、地球上の土地はどんなふうにして出来たのかなどという話を思い出していたからだ。
祖父の家とは地続きの家に住んでいた私は、出来の悪い分だけ可愛がられた。私が高校生の時、祖父が亡くなったときの悲しみは筆舌に尽くせない。

恐らく私は、そんな祖父が生まれた明治の頃の置賜を「アルカディア」と呼んだ英国夫人とその頃の風土が記されている「日本奥地紀行」に、半ば自分のルーツを探るような思いで、惹かれていったというわけであろう。

正確に言えば、祖父は明治37年(1904年、イザベラが亡くなった年)鮎貝村(現白鷹町)の生まれであるから、この本の著者のイザベラ・バードは、祖父が生まれる25、6年前に米沢近郊を訪れていることになる。

とするならば、この本に出てくる「子ども」は、私の曽祖父の姿かもしれない。

さて、読破成るか、気長に読んでいこう。
時空を超えて、旅に出るようなワクワク感だ。

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